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薬業界　老舗歴史シリーズ 8

～　星製薬　～

今回登場しますかつて栄華を極めた星製薬の主力製品の『ホシ胃腸薬』につきましては「今は昔　売薬歴史シリーズ 2」でご紹介いたしました。その際の内容と一部重なる部分もありますが、本号では『ホシ胃腸薬』以外のかつて同社で販売していた薬品や関連の資料などをご紹介して創業者の星一翁の足跡や業績を振り返ってみたいと思います。
星製薬の創業者の星一（ほしはじめ）については星薬科大学の創立者でもあり､SF作家、ショートショート作家の星新一の御尊父でもあり､その膨大な業績や人生を専門に研究、記録し保存する研究者もいる程です。
明治6年（1873年）に福島県の現いわき市の農家に生まれた星一は、東京の商業学校を卒業後、アメリカのコロンビア大学に留学しました。当地ではかの野口英世と出会い、トーマス・エジソンとも交流を持ち、さらに伊藤博文、新渡戸稲造、後藤新平などとも親交を深め、これらの経験が星一を希代の実業家に育て上げたようです。
12年間の渡米から帰国した星一は、事業を始めるにあたり大学で学んだ統計学を活用し、一か月にわたり新橋から上野にいたる商店街の調査、市場調査を行い、その結果候補に上がった業種が薬屋であったとのことです。
そこで門外漢ではありながらも友人の研究者より湿布薬「イヒチオール（イヒチオールスルホン酸アンモン）」の権利を買い取り明治43年（1910年）には製薬会社“星製薬所”を設立しました。
その後明治44年（1911年）には東京の大崎に工場を設立、『ホシ胃腸薬』等の家庭薬はじめ「キニーネ」「モルヒネ」などの製造販売も始め、国内初のチェーンストア方式の特約店を組織化、最盛期には38,000店も組織しました。
また工場内には診療所、幼稚園、図書館なども設置、大正11年（1922年）には現星薬科大学の前身である星製薬商業学校を設立、製薬会社としては東洋一と言われる規模となりました。
大正5年（1916年）には民間初のワクチンの製造、販売を行うなど星製薬の製造した医品は100種類を上回るとのことですが、星製薬の代表的製品が『ホシ胃腸薬』通称“赤カン”で、創業当初は売り上げの半分以上も占めていたようで、現在の『ホシ胃腸薬』にはコロンボ末が加えられている以外は当時の処方、製剤と全く変らず、また赤色の缶とフタに描かれた星のマークのデザインも当時と変らない息の長い固定ファンに支えられた薬と言えるようです。
一方昭和7年（1932年）には同社は破産宣告を受け、昭和26年（1951年）には創業者星一翁が逝去、星親一（星新一の本名）が跡を継ぎました。

以上星一の波乱にとんだ人生の詳細は、星新一著「人民は弱し官吏は強し」などをお読み下さい。」

［医薬品篇］

「ホシ胃腸薬（缶）」（：いわゆる赤カン。）
「ホシ胃腸薬（箱）」（：赤カンの箱入り。）
「ホシ糖衣マラリア丸」（：マラリア熱や間歇熱に。）
「ホシチヤコール錠」（：消化整腸薬。）
「ＨＯＳＩ　ＣＯＬＤＣＵＲＥ　ホシ風薬」Ａ（：風邪薬。昔は風薬と表記した。）
「ホシ風薬」Ｂ（：風邪薬。昔は風薬と表記した。）
「ホシ風薬Ｃ」（：風邪薬。昔は風薬と表記した。）
「ホシ袪痰薬」Ａ（：気管支カタルなどの去痰に。）
「ホシ袪痰薬」Ｂ（：気管支カタルなどの去痰に。）
「スター」（：理想的清涼剤。仁丹の一種。）
「ホシ血の道藥」（：生薬製剤。実母散、中将湯の類。）
「ホシ實母湯」（：生薬製剤。実母散の類。）
「ホシ下剤」Ａ（：便秘、のぼせ、耳鳴り…に。）
「ホシ下剤」Ｂ（：便秘、のぼせ、耳鳴り…に。）
「ホシ遺尿藥」（：寝小便の薬。）
「ホシ小児虫藥」（：駆虫薬。虫下し。）
「ホシ冷凍松葉錠」（：保健長命薬。健康食品、サプリメントの一種。）
「ホシ強心剤新剤ベリべチン」（：心臓脚気の藥。）
「ホシ人参錠」（：朝鮮人参の錠剤）
「ホシ複方鹽剥散」（：含嗽藥。うがいぐすり。）
「ホシ紫雲膏」（：漢方由来の軟膏。）
「ホシアルファ」（：リウマチスなどの塗り薬）
「ホシパスター」（：くさ、たむしなどの塗り薬）
「ホシホルム散」（：きず薬）
「ホシ凍傷膏」（：しもやけくすり）
「ホシプラスター」（：いわゆる膏薬。）
「ホシプラスター」（：いわゆる膏薬。）

［資料篇］

① パンフレット・新聞類
・「生命延長ホシの製品」
・「星の組織と其事業」
・「星の組織と其事業　生命延長　ホシの製品」
・「社報」〔大正7年（1918）他〕
・「星製薬株式会社社報」〔昭和15年（1940）〕
・「ホシ家庭新聞」〔大正14年（1925）他〕
・「ホシ小児新聞」〔大正12年（1923）〕
星製薬パンフレット・新聞類

② 製品一覧・チラシ類
・「星製品一覧表」〔昭和12年（1937）〕
・「星製薬製品目録」
・「ホシ胃腸薬」チラシ
・「40万円差し上げますホシ胃腸薬」〔昭和26年（1951）〕チラシ
星製薬パンフレット・新聞類

・「勿苦胃腸病者ホシ胃腸薬」チラシ
・「ホシ胃腸薬」はがき
・「ホシ風藥」チラシ
・「ホシ感冒錠」チラシ
・「ミクローゼ」はがき
・「ホシへデキューア」吸取り紙
星製薬パンフレット・新聞類

　　　　　　・「ホシシクロ」チラシ　　　　　　　　　　・「ホシチャコール錠」ミニパンフ　　　　　・「ホシチャコール錠」チラシ
星製薬パンフレット・新聞類

・「ホシチャコール錠」解説書
・「ホシ歯液」チラシ
・「ホシ目藥　光明目藥」チラシ
・「最新簡便膣洗浄器レディース」解説書
・「売藥請売約定書・」〔大正期〕

・「ホシ血の道藥・ホシ婦人座藥」チラシ
・「ホシ小児専門薬　我等は第二の國民よ」チラシ
・「ホシ白膏藥」チラシ

・「急告！ホシの十銭売り」チラシ

③ 宣伝はがき類
・「欧州大戦明細地図」〔大正3年（1914）〕
・「絶賛の聲ホシ胃腸薬」ハガキ
・「年賀はがき（表・裏）」〔大正12年（1923）〕
・「ミクローゼミニうちわ（表・裏）」

星製薬宣伝はがき類

④ 社債券類
・「ホシと社債社債発行の趣意」〔大正14年（1925）〕
・「ホシ商品券」〔昭和4年（1929）〕
・「星製薬（株）社債券金五拾圓」〔昭和2年（1927〕
・「星製薬（株）社債券金拾五圓」
・「星チェーンストア（株）成立資金証書金五拾圓」〔昭和5年（1930）〕
・「星チェーンストア協力助成金選定券（表・裏）」〔昭和5年（1930）〕
・「親切第一くすりはホシ封緘シール」（戦前）
星製薬社債券類

⑤ その他
・「挨拶状（終戦後の専門学校の運営について）」〔昭和22年（1947）〕
・「京橋星チェーンストア絵葉書（表・裏）」
・「星製薬商業講堂及び寄宿舎絵葉書（表・裏）」〔大正11年（1922）年賀状〕
・「ホシ移動販売隊来る！／星製薬商業学校校歌」
・「星製薬商業学校実習科規則」
・「星製薬株式会社西置賜郡特約店會　記念写真」
・「星製薬株式会社マスコット」
・「“親切第一クスリはホシ”フラッグ」
・「星製薬株式会社大判ポスター」
・「マッチラベル」
星製薬その他

〔参考文献〕
・星製薬株式会社HP
・フリー百科事典 Wikipedia 「星製薬」

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