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置き薬・くすり屋のおまけ・景品シリーズ 5

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~ 売薬版画・富山絵・おまけ絵 ~



置き薬・くすり屋のおまけ・景品シリーズ篇のその5には置き薬屋さんがお得意先に置いていった“売薬版画”を取り上げてみました。

“売薬版画”の始まりは江戸時代後期にさかのぼるようですが、富山絵・おまけ・絵紙などの呼び方もあったようです。

第18回“戦争と薬の広告・景品たち(その1)”では日露戦争当時の軍人さんが描かれた明治39年(1906年)製の“売薬版画”を御紹介しましたが、このように後日御紹介いたします“引札(ひきふだ)”と同じように“売薬版画”も長くとっておいてもらうために縁起の良い図柄が描かれました。

今回御紹介の“売薬版画”は木版~石版刷りの素朴な2~3色印刷のもので、ほとんどが明治期のものと思われます。
作成年代の明らかなものを示してみます。
  1. 〔明治30年(1897年)製〕:平重盛は平清盛の長子。源義平は源義朝(みなもとのよしとも)の長子。
    (保元)平治の乱(1159年)の絵と思われます。
  2. 〔明治36年(1903年)製〕:大黒様の図柄です。
  3. 〔明治44年(1911年)製〕:七福神の図柄です。
  4. 〔明治39年 (1906年) 製〕:日露戦争当時の軍人さんが描かれています。
1. 売薬版画
(縦28.6cm×横11.3cm)
2. 売薬版画
(縦32.6cm×横12.2cm)

3. 売薬版画
(縦34.0cm×横25.3cm)
4. 売薬版画
(縦28.7cm×横11.2cm)

その他の版画は年代不詳ですが、トップの「神功皇后 三韓征討」に登場する”神功皇后”は15代応神天皇(270年~313年)の母君。三韓とは古代朝鮮半島南半分にあった馬韓・辰韓・弁韓の国のことで、詳細は日韓歴史問題に発展しますので省略しますが、日本武尊の時代の古代神話を朝鮮統治にからめた絵と思われます。
となりの秀吉朝鮮出兵の際の加藤清正の虎退治の図案とも意味するところ共通するものと思われます。

売薬版画
(縦31.8cm×横13.2cm)
売薬版画
(縦30.0cm×横12.0cm)

売薬版画
(縦27.7cm×横11.2cm)
売薬版画
(縦28.0cm×横11.2cm)
売薬版画
(縦22.7cm×横11.3cm)

売薬版画
(縦25.9cm×横11.0cm)
売薬版画
(縦24.8cm×横11.4cm)
売薬版画
(縦27.5cm×横11.2cm)

売薬版画
(縦33.0cm×横23.5cm)
売薬版画
(縦30.7cm×横14.5cm)

売薬版画
(縦19.5cm×横25.6cm)



( 本項参考文献 )
 ・玉川信明 著  風俗 越中売薬  巧玄出版
 ・富山売薬の歴史  薬日新聞社刊
 ・高橋善丸 著  お薬グラフィテイ 光琳社出版


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