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今は昔 売薬歴史シリーズ 16

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~ オゾ ~


今も根強く人気の続く伝統薬の“今と昔の姿とその良さ”を伝える伝統薬シリーズ十六回目、今回は『オゾ』を御紹介いたします。


◎『オゾ』 = 〖オゾ〗

  • いろいろな伝統薬をご紹介してきましたこのシリーズ、今回からしばらくは現代では比較的マイナーな存在ではありますが(本来の認められた効能以外の効き目も見出だすという)マニアック的な信者(消費者、顧客)が多くついている隠れた存在の伝統薬をいくつか取り上げてみます。
  • 今回ご紹介しますのは『オゾ・OZO』です。
    〖オゾ〗はもちろん戦前から存在している(戦前では有名な、現在では取り扱っているお店も少ないレアな)万能皮膚薬で、アクリノールやサリチル酸メチル、酸化亜鉛、dlカンフルなどを含んでいます。
    万能皮膚薬というそのわけは多彩な効能・効果にあります。 転記するだけでも大変なのですが、現在でも認可されているその効能・効果は次のようなものです。

    “火傷・凍傷・あかぎれ・ひび・毒虫の螫傷(せきしょう=刺し傷)・湿疹・靴ずれ・
     かぶれ・肌あれ・打撲症・挫傷・とびひ・にきび・吹出物・頭痛・神経痛・肩のこり・
     痔・切り傷・ただれ・歯痛・鼻緒ずれ・深爪・生爪・糸かせ・あせも・痒疹・ひげそり後・
     外耳炎・陰部のたゞれ・或は裂傷・リウマチス・踏抜・日焼・雪焼け・潮焼・
     冷湿布の代用、鼻孔の腫物”

    多くの伝統薬が表示できる効能・効果の削除、削減に苦悩しているなか驚異的な効き目の多さです。 なかには“毒虫の螫傷”とか“鼻緒ずれ”“踏抜”“潮焼”など現代ではピンとこない効能・効果も生き残っており、さらには“肩のこり”“冷湿布の代用”の効き目もあるわけですからまさに万能皮膚薬といえますが、それにしてもよく厚労省が削除しないものだと感心してしまいます。
  • 『オゾ・OZO』は戦前はオゾ本舗「都南荘」という(名前の東京市大森にあった都の南に位置する意味の)製薬メーカーらしくない合名会社が製造販売してましたが、現在では亜細亜製薬より継承した富山の水橋保寿堂が製造、同じく富山の明治薬品株式会社が販売しています。
  • 〖オゾ〗は洋服に色がつくと落ちにくいという欠点がありますが、隠れた愛用者が多く一度でも使ったことのある人には手放せない効き目のあるぬり薬ですが、上記の効き目以外にもアトピーや化粧の下地や化粧落としの後の肌の手入れ、気管支炎の時に喉や胸の辺りに塗るなどの効き目が消費者の間で研究開発されているようです。
  • では『オゾ・OZO』コレクションをご覧下さい。
    [付録]として『オゾ胃腸薬』もあります。

(1)(2)戦前の『オゾ・OZO』
『オゾ・OZO』

(3)『オゾ・OZO』の空箱
『オゾ・OZO』
(4)『オゾ・OZO』の吸い取り紙(14種類)
『オゾ・OZO』

(5)『オゾ・OZO』の手帳〔昭和15年(1940年)〕

『オゾ・OZO』
(6)戦前の明治座「新國劇講演」パンフレット
   :『オゾ』の宣伝入り
『オゾ・OZO』

(7)『オゾ』の謝恩景品鉛筆の案内チラシ〔昭和9年(1934年)〕
   :この案内チラシ自体が立派です。
『オゾ・OZO』

(8)薬店ニュース〔昭和8年(1933年)〕より
   『オゾ』の広告
『オゾ・OZO』
(9)『オゾ胃腸薬』
   :陶器製の立派な容器です。
『オゾ・OZO』

(10)『オゾ・OZO』『オゾ胃腸薬』
   宣伝入り御写真袋
『オゾ・OZO』
(11)『オゾのメモ』

『オゾ・OZO』

(12)『三越呉服店薬品部 オゾチラシ』
   (表)
『オゾ・OZO』

   (裏)
『オゾ・OZO』

(13)現代の製品
『オゾ・OZO』



〔参考文献〕
・名薬探訪        加藤 三千尋    同時代社

〔現代の製品提供〕
・昭島市 十字堂薬局 荻野 祥子 先生


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