昔はこんな薬もありました 20
~ 簾 ~- 昔のいろいろな薬や健康器具を紹介してきた“昔はこんなものもありましたシリーズ”、今回は簾(すだれ)で出来た薬の広告です。
- 簾(すだれ)は細い蘆(あし)=よし。あしは悪しに通じるので忌み嫌い、善しにちな んで“よし”としたもので葦と同じ。)や細く割った竹などを糸で編み列ねて垂らすもので、その歴史は古く万葉集の時代にもすでにあったようで、縁を付けた高価なものは御簾(みす)と呼ばれ、平安時代になって宮廷や貴族の屋敷、神社、仏閣などで部屋の間仕切りや日除けに用いられ牛車にも掛けられました。
- 江戸時代には蘆、竹以外に萩、蒲、御業(ごぎょう)なども用いて、天然素材の味わいをそのまま生かした江戸簾(えどすだれ)が庶民にも普及しました。
現代では簾は日除けなどの実用品としてはもちろんのことインテリア、工芸品としての用途も広まってモダンな製品も作られるようになってきています。
- 今回御紹介しますのは簾に薬などの広告を印刷した一種のポスターのようなものですが、紙に印刷されたポスターに比べますとはるかに高級感あふれ、芸術品のような感じさえ受けます。
作りからみても、編んである糸が切れるとバラバラになってしまうため完品で残っていることはめずらしいものです。
また簾は季節的には夏のものというイメージがあり、そのせいか蚊取り線香などの防虫製品の広告素材によく使われています。
『清保はいとり紙』 |
『ヤマサダかとりせんかう』 |
『安住かとりせん香』 |
『一金印 除蟲粉』 |
『元祖 百毒下し』 |
『六神丸』 |
『六神丸』 |
『ウサギミルク』 |
〔参考文献〕
・インターネット「港区の伝統工芸士 江戸簾(鈴木盛雄)」
・インターネット「東京都伝統工芸士会 東京の伝統工芸 江戸簾」
・広辞苑
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