薬と歴史シリーズ 22
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~ 花柳病・らい病 ~薬や病気にまつわる歴史を追って来たこのシリーズ、今回は衛生思想や伝染病に関係する資料を紹介して日本人の健康追及の努力の道をたどってみたいと思います。
④花柳病
- 芸娼妓の社会を指す“花柳界”という言葉ともに現在では死語となってしまった言葉に“花柳病”という言葉がありますが、“花柳病”とは“花柳界”で感染する感染症の事で、いわゆる性病(梅毒、淋病)のことです。
〔『黴瘡茶談』
*江戸期の天保14年-1843年に書かれた黴毒(ばいどく)=性病の治療書。異国よりもたらされた病と書かれている。〕
『近世花柳病學』(大正元年-1912年)
『臨床花柳病學』(大正5年-1916年)
『恐ろしい亡国病 花柳病を撲滅しませう』(山梨縣)
“厚生省 性病患者届出表”
“博愛病院 二天門藥局診療部”
*裏面東京市電車地圖。
“博愛病院は花柳病の豫防と治療に努力致して居ります。”
“梅毒の専門薬 ヂフヰリス藥”チラシ
*アラフシギ梅毒の病菌を皆殺しにして體外に排泄する。
“りん病 こしけ 別府淋薬”チラシ
*りん病こしけ患者の最大福音 無効返金藥 返金証添付せり!
⑤癩病
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レプラ、ハンセン病、そして天刑病とも呼ばれた癩病はかつては感染力の強い不治の病として、また結果特有の顔貌となることから罹患者は社会から隔離隔絶され、子孫を残すことも禁じられました。
近年に至りそれらは間違いであったと認識され救済の努力がされています。
“癩病患者ノ福音”(佐藤杏霞院 明治39年-1906年)
*“政府ハ同病取締規則ヲ設定シテ近々中ニ島流的隔離ヲ行ハントス”
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