ジェネリック(GE)篇(その2)
~ ジェネリック(GE)篇(その2) 「ケロリン」 ~今回は前回の「メンソレータム」に引き続きジェネリック品(GE品・後発品)として『ケロリン』一族を御紹介いたします。
2. 『ケロリン』
- まず一(いち)配置売薬から全国制覇を果たした内外薬品の『ケロリン』の栄光の歴史を振り返ってみますと…。
・『ケロリン』、大正14年(1925年)に誕生。
当時輸入のアスピリンに桂皮(ニッキ)等を配合。
富山薬学専門学校卒の笹山順蔵の発明。名前も笹山順蔵の命名。
・昭和のはじめに本家内外薬品、『ケロリン』を商標登録。
・戦後の昭和20年代後半、富山より東京へ進出。
昭和30年代には銀座4丁目の電光ニュースに『ケロリン』の広告を流し、また東京タワーの入場券の裏に「コカ・コーラ」と『ケロリン』の広告を半年交互に入れる。
・ラジオコマーシャルにも進出。
CMソング「青空晴れた空;ケーロリン・ケーロリン…」。
(関係者は超一流。;作詞 サトウハチロー。作曲 服部一郎。 歌 楠トシエ。)
・日テレの初のプロ野球中継のTVコマーシャルにも進出。
(球場内のゴミ箱にも『ケロリン』の文字を張り付ける。
・と同時に東京周辺の駅の待合室の時刻表示板、沿線の琺瑯(ホーロー)看板、
ついには世界への窓口、羽田への東京モノレール内の吊り広告も開始。世界制覇を夢見る。
・昭和38年「ケロリン風呂桶」が八重洲口の東京温泉に登場。
全国の公衆浴場、温泉、旅館、ホテルへと浸透する。
(初期は桶原価の半額で温泉に納品、残りの半額を内外薬品が広告料として持っていたらしい。)
・近年では大阪地下鉄階段の正面から見える部分や電車の吊革部分にも進出。
(こう見ますと『ケロリン』の売り上げはほとんど広告に消えているような感がします。)
後発品のパターンは大きく分けて名前を似せたもの、デザインを似せたものに分類され、連載の3回目に御紹介した「大阪青チロゲロリン」もその一つです。(戦前のものは右→左へ読む。)
- 前回の『メンソレータム』に引き続きコレクションに見られる『ケロリン』の類似品の名前と写真を羅列してみたいと思います。
「廣心ケロリン」「ヒロリン」「大学ケロ」「ケロン」「ケロトン」「ケロトン服」
「ケロール」「ケローン」「ケロイチ」「ケロゲン」「ケロチン」「チロリン」「コロン」
「池田ケロリー」「ケロバミン」「双葉ケローン」「ケロートリン」「ナオリン」
「シンケロ」「ラクチン」「サリゲン」「頭痛 タウチン」「岡山 キョロリン」
「アズマ スロリン」「イタミドメ」
(デザイン中心;「ありがた」「ニコニコ」「ピターリ」「ピース」「ノークイン」)
[付録1]
-
昭和38年に登場した「ケロリン風呂桶」。コレクションの白い桶は初期のめずらしいものです。
最近では携帯ストラップもあります。またケロリンの座りイスや女性の髪洗い用の三本足の大きなサイズのものもあったようですが、残念なことにいまだにコレクション入りしていません。
お持ちの方は¥◎◎でお譲り下さい。
風呂桶(白) 風呂桶(黄) ストラップ 預け袋
(31.5cm×26.4cm)
[付録2]
- 『ケロリン』と並ぶ鎮痛剤の双璧に「ノーシン」があります。「ノーシン」のコレクションもおまけでご覧下さい。
「ネオノーカイ」「ノーチン」「ノークイン」「東亞ノージ」「頭痛ノーコサン」
「ノーポン」「スッキリ」「ノーソ」「スーン散」
通い袋 ホーロー看板
(45cm×10cm)
( 本項参考文献 )
・町田 忍 著 『懐かしの家庭薬大全』 角川書店
『宝島』
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