ジェネリック(GE)篇(その4)
~ ジェネリック(GE)篇(その4) 「トクホン」「サロンパス」 ~今回は「メンソレータム」「ケロリン」「仁丹」に続いて貼り薬の『トクホン』『サロンパス』のゾロを御紹介いたします。
4. 『トクホン』『サロンパス』
- 『トクホン』は100年以上前の明治34年(1901年)に創始者鈴木由太郎が本所の横山町に鈴木日本堂 を興したときに始まります。
鈴木由太郎の血筋は父栄三郎が小出出羽守(勘定奉行)という由緒正しき家柄で、その父は幕末には幕府方として彰義隊に加わりましたが敗走。
明治になり事の露見を恐れたため母方の鈴木姓を名乗り、鈴木栄三郎として木綿問屋を経営して成功、その嫡子の由太郎は13才の折家庭薬製造会社に奉公、後に独立して鈴木日本堂したものです。
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トクホンの鈴木日本堂が
創業時から製造していた
頭痛膏の“乙女桜”
その後関東大震災などで大きな痛手を受けますが、昭和3年(1928年)に試作を完成していた貼り薬『トクホン』を昭和8年(1933年)より全国展開、新聞・雑誌・ラジオに宣伝活動を行い、昭和13年(1938年)には売り上げ目標の160万円に達しました。
後日まとめて紹介いたしますが、薬のなかには江戸時代から続いている膏薬といわれる貼り薬があり、『トクホン』は従来の膏薬のような油臭い匂いでなくハッカの香りがする、またシール状にして絆創膏のようにすぐ貼れるように改良した絆創膏タイプの貼付剤で、その名は“甲斐の医聖”といわれる永田徳本翁に由来しています。
一方現久光製薬の創始者の久光仁平は弘化4年(1847年)に小松屋を創業、小松屋は明治になって久光兄弟合名会社へと改称発展しましたが、『サロンパス』は久光兄弟合名会社が昭和9年(1934年)に発売したものです。 下記のコレクションは戦前の昭和10年代の『トクホン』と『サロンパス』です。
トクホン中身
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← 通い袋
- 『トクホン』『サロンパス』どちらも初めから商標登録されているため類似品とはいえ全く同名の商品は存在しませんが、名前的には「○○パス」といった名称が多く、またデザイン的には圧倒的に妙齢の御婦人(;日本人には、うちでも特に女性には肩凝りが多いからか。)がお風呂上がりに貼り薬を貼っているデザインがほとんどで、オジサンは皆無、相撲取り・力士のデザインなどはめずらしいものです。
「キクホン」「ホームパス」「オトメパス」「グリーンパス」「コリサンパス」「ケロンパス」「ダイヤパス」「ゴフンパス」「ミターパス」「スーパーコリシンパス」「ホケンパス」「コーエパス」「マルコワンパス」「キングパス」「サーチパス」「ネオパス」「ネオンパス」「ユートクグリンパス」「パスマン」「オーガタパス」「ウルトラパス」「大仁パス」
( 本項参考文献 )
・山崎光夫著 日本の名薬 東洋経済新報社
・都薬雑誌 VoL .25 No.6(2004)
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